NAOVIC(ナオビッチ)撮影の日本刀

【日本刀】名刀大全に掲載された写真の撮影方法論をプロ写真家が語ります。

撮影した写真が掲載されている、「名刀大全」が大人気で売り切れ続出です。

価格が35,000円と高価なので、売り切れることなんてないと思っていましたが、日本刀好きな方のアツさを感じました。

ということで、掲載されている写真が見たくて購入するつもりでしたが、いまだに手に入れることができていません。

実際の印刷を見ていないので、どんな上がりになっているを確認していませんが、今回は日本刀写真の撮影方法論について話して行こうと思います。


「名刀大全」の日本刀撮影方法論

何を見せなければならないか

撮影の優先順位を部位で考えていきます。

今回、撮影した日本刀は短刀のため、太刀や刀とは少し考え方が違います。

その点をご考慮ください。

刃文(はもん)

写真を撮るうえで、最重要だと考えているのが刃文です。

刃文について簡単に説明します。

刃文とは焼き入れによってできた焼刃の形状です。

日本刀に光をあてて、刃先部分にあらわれる、白い波のような模様部分のこと。

その模様は土の塗り方などにより変化します。

そのため、作者や時代によって変わり、刀工にとってもオリジナリティーを出す部分となりました。


さらに言うと刃文沸(にえ)匂(におい)で構成されています。

というのは粒子が荒く、肉眼でも粒子を見ることができます。

は粒子が細かいので白っぽい霧のように見えます。


地鉄(じがね)

刃文につづくのは地鉄です。

地鉄についても簡単に説明します。

地鉄とは鍛え肌の模様のことです。

模様がなぜ出るかというと、原材料である砂鉄から作られた玉鋼を折り返し鍛錬するからです。

地鉄にも鍛錬の工程や砂鉄の違いなどで、さまざまな模様になります。

そのため、刃文と同じように、時代や刀工によって違いがあるため、オリジナリティーが出ます。


短刀の場合、この2点の部位を中心に刀の世界を表現していきます。


ライティング(照明)

見せなければならない部位が決まったら、次はライティングを考えていきます。

ライティングは企業秘密の部分が多く、あまり詳しく書けないので、概要で説明していきたいと思います。


大事なのは刀を正しく見せてあげることです。

つまり、光のムラなどで実際とは違う明暗がでてしまう事は避けなければなりません。

ファーストステップとして、ムラができないライトを組み立てます。


つづいて「刃文と地鉄」を、どうやってムラができないライティングでオリジナルに近い状態を表現するかを考えます。

これが超むずかしいです。

なぜなら、光の方向、角度、質によって大きく変わるからです。

そのうえ、日本刀というのは100振あれば100通りのライティングがあると言ってもいいくらい、すべて違います。


まず、短刀に光をあてて「刃文と地鉄」の出方を確認していきます。

そして、確認できたら光の方向と角度を決め、光の質を変えながら「刃文と地鉄」がよく表現されるポイントをさぐります。


日本刀の動画

名刀大全に掲載された短刀ではありませんが、今まで撮影した日本刀写真の一部を動画にまとめました。



まとめ

日本刀の撮影方法論を説明してきましたが、いかがだったでしょうか。

日本刀に限らず、写真というものにゴールはないので、常に撮影方法を見直しています。

いつか、納得する写真が撮れると信じて続けるだけです。


最後に詳細は書けませんが「名刀大全」に掲載されている写真のヒントを書きたいと思います。

国宝で短刀です。

興味のある方は、ぜひ見てください。


日本刀は、とても奥深いので機会があれば、これからも記事にしていきたいと思います。